TW2 シルバーレインに存在するPC 亘理計都の日記 アンオフィも含むから気ぃつけた方がいいぜ

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Paper cut

授業も終わって特にどうするでもなく校舎を歩いてたんだよ。ふっと遠目に目立つオレンジのツナギが居て、声でも掛けてやろうかと思ってやめた。隣に赤い髪の女の人が居たからだ。
何回か顔も合わせてて名前も知っている三年の先輩だ、そんで江間が好きな人だ。…詳しくは聞いてねぇけど、話聞いてたり態度見てれば多分間違いなくそうだろう。
そんな相手と喋ってるところに近付いたら、間違いなく俺は近付くなと睨まれるだろうと思って見つからない程度の距離を取って二人の会話が終わるのを待ってたんだ。

…何か、おかしい。遠目からでも感じる違和感、なんだ?肌の下を走る本能に似た感覚に眉を顰めながら半ば睨みつけるように江間を見る。
――――あぁ、笑ってねぇんだアイツ。好きな女と一緒にいるってのにテンションも低い。…そんな顔させてどうすんだ、アホか。俺が思っててもしょうがねぇけど。
気のせいなら別にいいと思いながら、二人が離れるのを確認して歩き出す。 後ろから気配を消し気味に近付いて肩に腕を回して捕まえる。察知するのもおせぇ。

「何びびってんだよ」

そう声を掛けて様子を見る。探るように言葉を交わして、相手を“視る”。いつもならギャーギャー喚いてくるだろうにだるそうな返事。ゴーグル越しでもわかる目の回りの痣、何があったかはわかんねぇけど明らかに今のコイツはいつもと違うって事だ。その仮説を確かめる為にGTに誘った、グダグダしてんんならスッキリするんじゃねぇかとも思ったからだ。

バイクぶっ飛ばしてアミーゴに向かう、ほんの30分もかかんねぇ距離だ。

着いてすぐにイグニッションして中に突っ込む、交わす言葉は少ない。ただ、江間の一挙手一投足の全てが通常のそれよりぬるい。チリっとした苛立ちを感じながら自分の分担したゴーストを片付けて、息を吐き出す。

――――パキン

金属の割れる音に振り返る、初めて江間と会った時からしていたバングルが音を立てて地面に転がっていた。そう、確か大事な人にもらったんだと嬉しそうに喋っていたのを覚えている。音のした方へ駆け出して、江間を追い越して首なしライダーを切り伏せて向き直る。丁度アングリーデッドを叩き潰した江間に声を掛けた。

「…ソレ、」
「いい」

拾い上げてポケットに入れる江間を目を細めて見る。…いい?良い訳ねぇだろうが。普段だったらぜってぇ大騒ぎだろう、お前。自覚がねぇのが一番性質がわりぃんだぜ、そんなんじゃいずれアイツみたいに――――。
家族だった女の顔が思い浮かぶ、ギリっと歯を噛み締めて甚三紅を鞘に納める。奥に行くかと言う江間を制止して壁に立てかける。

「こないだのリベンジ」

江間の返事は待たねぇ、一気に間合いを詰めて目の前で拳をゆっくりと握る。

「Play with me.」

あの時の、江間の言葉をそっくりそのまま返して右ストレートを放った。避けて当然、“今”のお前でも避けれるようにわざと手加減してんだ。亘理、と呼ばれたが全部無視してやる。お前がやってんのは、そういう事だ。

「お前、おかしいぜ」

言われて漸く気がついたのか、答えに詰まった様な顔を俺に向ける。諭すように笑ってやる、甘やかされたいなら甘やかしてやってもいいんだぜ?

「…Do you know what am saying?」

お前が、それをよしとするような奴ならな。

「――――doughboy,」

スラング混じりに煽ってやる。掛かった、挑発に乗って江間が動く。前回とは違って素手での殴り合いだ、ウェイト的には若干だが俺の方が有利かもしれねぇが。
江間の攻撃は単調で覇気がなかった、口紅で模擬戦した時のような俊敏さがない。避ける動作ひとつにしたってそうだ、チリリとした感覚がまた膨らむ。

「You're mango」

 腑抜けと哂って、指でこいよと誘う。

「Shut up!」

冷静な判断もできねぇ奴に俺が負けるワケねぇだろ?放たれた拳を受け止め、そのまま掴んで引き寄せて膝を腹に決める。一発でたたらを踏んだ江間の足を払って、地面に向けて叩き込む。起き上がる暇は与えねぇ、肩を容赦なく突き飛ばして上に乗りかかる。

「腑抜け」
「うるせェ…! どけよ!」

ぐっと肩を押さえつけたままもう一声煽ってやろうと口を開きかけて止める。俺を見ているようで見ていない目だ、コイツ、誰を見てやがる?

「どうしたんだよ、お前」
「…何で、そんなこと聞くのさ、」

江間の顔が歪んで笑みを作る。

「…オレがどうだろうと、アンタは勝手にするだろ…、―――ッ!?」

一発当てた腹に膝を押し当ててツナギの首元掴んで引き寄せる。精彩に欠いた目を睨みつけて、息を吐く。

「――――、…あ?」
「誰と喋ってやがる」

自然、腹を押す膝の力が入る。コイツは、何を見てやがんだ。目の前にいる人間を見ねぇで、何を――――

「――――今はお前と、」

へらりと笑われ、心が冷えた。手加減なしで平手で頬を打って、ツナギの襟元を掴んだまま立ち上がって地面に捨てるように叩き付けた。

「ふざけてんじゃねぇ…!」

全くだ、ふざけんてんじゃねぇ。何を、誰を重ねて見てんのかは知らねぇがこれ以上失礼な話はねぇだろう?まだ、俺だからいいものの…!他の奴よりはてめぇに近い立場だ。戦場も知ってる、根の深いトラウマがあったっておかしくねぇ世界だ。
だから、無理矢理飲み込める。だけど、そうじゃない奴だったら?…くそっおもしろくもねぇ。しっかりしろよバカヤロウが。
チッと舌打ちをして胸元を探る、そうしてもう一度舌打ちをする。ふぃ、と江間を見るとなんで怒られてんのかもわかってねぇツラしてやがる。
はー…何やってんだか、ほんとに。これ以上ここに居たってしょうがねぇ、帰るか。そう思って甚三紅を肩に担いで声を掛けた。

「のってくか、」
「――――は?」

呆けた顔してんじゃねぇよ、バカ。帰るかって聞いてんだろうが。首を微かに振って応えた江間に、そうかよと返して溜め息をひとつ吐いて背を向ける。

「ワタリ、」

呼び止められて、歩き出した足を止める。

「…ごめん」
「何が悪いか分かってねぇくせに謝んな」

もう一発殴ってやろうかと思ったが諦めた、どうせ情けねぇツラしてこっち見てやがんだろう。野郎の迷子になったガキみてぇな顔なんか見たくもねぇ。

…Shit!!
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亘理計都

Author:亘理計都

銀警館学園:戸叶キャンパス
高校1年 クラス:5組

性別:男
年齢:16
誕生日:8/8




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